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by chiku-teku

映画 「闇の子供たち」

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仙台フォーラムで上映している「闇の子供たち」を観にいきました。
なぜこの時期に?と思われるほど、重~い内容なのですが、
今年の春、書店で文庫本を見つけ、その帯に
「今夏映画化!江口洋介・宮崎あおい・妻夫木聡 豪華出演」と書いてあったのに、
ミーハー的に魅かれて手に取りました。
原作は梁 石日(ヤン・ソギル)さん。

ミーハー的な気持ちで気軽に読もうとした本が、目をそむけたくなるほど鮮やかに現実を描いていて、嫌悪感を感じるほどの性的描写がどぎつく、何度も途中でやめようと思いながらも止まらない・・・そんな本でした。
20代前半に私自身も
 ”私たち日本人には直接関係のない、世界の闇の部分に対して 自分に何ができるのか”
と、いわゆる自分探しをした時期があり、
タイのバンコクの最大スラムで、スラムの子供たちに教育を提供する施設の代表者に
会いに行ったことがありました。
そこでの現実を見聞きし、スラムを案内してもらい、
日本で会社員をしながらその合間の旅行として訪ねる自分に嫌悪感を抱き、
本格的に取り組まなくちゃいけないのではないか、
でも、自分一人の小さな力で何ができるのだろうと、
まさしく宮崎あおい演じる、NGOボランティアの女性のように感じていた時期がありました。
だからこそ、この本に投影したのですが、
原作本のそのラストにも、35歳の今の自分の立場で妙に納得しました。

この本を映画がどう描くのか、とても気になっていました。
そもそも、描けるのだろうか?
本を映画化した場合、映像では原作を超えて伝えられることはないと、
私は思っています(いろんな考え方があるでしょうが)。
この作品は、原作を読んで私の頭の中に浮かんだ場面がそのまま描かれているなと
思いました。
地に足のついた場面描写と映像。
ただ、メッセージ性については、
原作の伝えたいことが多すぎて、
それを全部いれこもうとして無理が生じたという感がありました。
文庫本で5cm弱の本ですから、
それを2時間強の映画に収めるのはもともと無理なのでしょう。
原作を読んでいないと、話が飛んでわかりにくいのではなかったかなと思いますが、
監督の「伝えたい」という強い気持ちが伝わってきたことは、作品の評価を高めました。

この映画は、
最初全国で8か所だけで上映が始まったそうです。
衝撃的な映像と内容、出演者の顔ぶれの豪華さも手伝い、
あっという間にたくさんの映画館で上映したいと広がったそうです。
でも私はやはり、原作を読んで欲しい。
映画(DVD)を観たあとでもいいから、原作を必ず読んで欲しい作品です。
友人に貸したら、途中で無理だった・・・と言って、返ってきました。

梁 石日(ヤン・ソギル)さんの本を、この作品をきっかけに、20冊くらい一気に読破してしまったのですが、確かに描写がグロテスクです。
そこに熱い思いが強くみなぎっているからです。
ゆる~くは、読めません。
パワーがいるし、疲れます。
でも、人生の中で、いつか、向き合ってほしい作家であり、作品だと思っています。
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by chiku-teku | 2008-09-27 20:35 | hibiのこと